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Microsoft “Copilot + PC” とは

thumbnail_microsoft_1920 Microsoft

概要と背景

  • Copilot+ PCとは Windows 11をベースに開発された新カテゴリーのPCで、AI処理に特化した 40 TOPS以上のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載しています。このNPUにより、リアルタイム翻訳や画像生成など高度なAI処理をローカルで実行でき、高速かつ省電力でAI体験を提供します 。

  • 発表のタイミングと展開 2024年5月20日、MicrosoftはSurfaceなどのメーカーとともに新たなAI PCブランド「Copilot+ PC」を発表。予約開始、そして6月18日以降に順次販売を開始しました 。

  • 対応OEMおよび価格 OEMパートナーはAcer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Samsungなど。価格はSurfaceを含むモデルで最安999ドル(日本円 約 15万円)から展開されています。

ハードウェアと性能

  • NPUとAI処理性能 CPU・GPUに加え、NPUを搭載することで、AIワークロードにおいて「最大20倍の性能」かつ「最大100倍の効率向上」が可能という設計思想です。

  • 対応チップセット 第1世代は主にQualcommのSnapdragon X PlusまたはX Eliteを採用。後にIntel Core Ultra(Lunar Lake)やAMD Ryzen AI対応モデルも登場。

  • 対応条件(最小要件) NPU搭載に加え、最低16GB RAM、256GBストレージを備える必要があります。

AI機能(Copilot+ Experiences)

MicrosoftはCopilot+ PCs向けに、Wave 1およびWave 2として段階的にAI機能を提供しており、主に以下のような体験が含まれます。

Wave 1(初期導入機能)

  1. Cocreator(Paint):テキスト記述から画像を生成・編集するAI機能です。
  2. Windows Studio Effects:カメラ映像の背景ぼかし、音声のフォーカス、目線調整などスタジオ品質の効果を提供。
  3. Live Captions:音声を40以上の言語から英語にリアルタイム翻訳・字幕表示。
  4. Recall(プレビュー):画面や操作内容を自動記録し検索可能にする機能。ただし、ヨーロッパ経済領域(EEA)では提供時期が遅れています。

Wave 2(次段階の機能)

  1. Click to Do(プレビュー):スニッピングツールやコンテキストメニューから自然言語で操作を実行。
  2. Microsoft Photosのスーパ‑解像度:画像の品質をAIで補強する機能。
  3. より高度な検索機能など:Windows検索の強化、設定アプリへのAIアシスタント導入など、後日提供される内容も示唆されています。

最近のアップデート動向

  • 2025年7月下旬Insider向けには、Click to DoやNarratorの画像説明対応、設定アプリのAIアシスタント、アクティビティ表示などが追加されました 。
  • Snipping Toolでは“Perfect screenshot”(AIによるスマートトリミング)、カラーコード取得などが改善され、Photos appの“Relight”(仮想光源を当てる効果)なども追加されています。ただし、Snapdragon搭載モデルに限られる機能もあります。

現実の評価と課題

  • Windows on ARMの現状 Qualcomm Snapdragon X Eliteを搭載するWindows on Arm PCはバッテリー性能や効率面では優秀と評価される一方、x86アプリとのエミュレーションに頻繁に依存せざるを得ず、互換性が課題です 。

  • レビューの声 Android Authorityのレビューでは、バッテリー性能には高評価があったものの、Recall機能がまだ未完成であり、AI体験全体も完成度が低く感じられたと述べられています。

  • 企業導入の動き Windows 10のサポート終了(2025年10月)に向け、エンタープライズでのAI PCへの関心が高まっています。Copilot+ PCsはNPUによるオンデバイスAI処理により、クラウドへの依存を下げ、高セキュリティ・高効率なAI体験を提供するというメリットが注目されています。

  • プライバシー懸念 Recall機能は、パスワードや社会保障番号など本来記録してはいけない情報を誤って保存してしまう問題が報告されており、フィルター機能の信頼性が課題となっています。Qualcomm搭載モデルでは特に慎重な対応が必要とされています。

将来展望と戦略意義

  • Windowsの進化方向 Microsoftは、「Windows 2030 Vision」として、将来的に従来のGUI(マウス/キーボード)ベースから脱し、音声・視覚などによる自然な対話型インターフェースへ移行させる構想を掲げています。Copilot+ PCはその土台となるAI体験の一端と位置付けられます。

  • AI PC市場の展望 IDCなどの市場予測では、2025年にはAI PCの出荷台数が1億台を超える見込みで、Copilot+ PCsのような製品は、今後のPC業界のスタンダードとなる可能性があります。


おわりに

Microsoftの「Copilot+ PC」は、ローカルAI処理を可能にするNPUを搭載した、Windows 11ベースの次世代PCです。2024年5月にSurfaceなどを中心に発表され、6月18日より販売が始まりました。最大20倍のAI処理性能と省エネ性を実現するハード構成に加え、Cocreator、Live Captions、RecallなどWave 1機能、Click to Doやスーパ‑解像度といったWave 2機能を備えています。

現実には、ARMアーキテクチャによるアプリ互換性の課題やAI機能の未完成・プライバシーリスク、Recallの信頼性など、改善すべき点も多く残っています。それでも、Windows 10終了時期にあわせた企業向けの再構築や、AI PC時代への布石として大きな注目を集めています。Microsoftが描く「自然対話型AI OS」への橋渡しとして、業界へのインパクトは今後さらに拡大すると考えられます。


出典: Microsoft Copilot PC
  : Windows 11
  : Windows 11 gets new AI-powered features
  : Introducing Copilot+ PCs – The Official Microsoft Blog
  : Shop Copilot+ PCs: Windows AI PCs and Laptop Devices
  : 9 new features that arrived on the Windows 11 Insider Program
  : Windows 11 Snipping Tool addition makes me want a Copilot+ PC

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