要旨
マイクロソフトは、大規模言語モデル「MAI-Voice-1」と「MAI-1-preview」を公開した。従来はOpenAIのChatGPTをCopilotの中心に据えてきたが、この発表は依存度を下げる布石と見られる。両社の間では、130億ドル規模の投資利益をめぐる対立も表面化しており、自社開発へと傾く動きが注目されている。
Microsoft AI 部門の設立
2024年3月、マイクロソフトは「Microsoft AI」部門を新設し、DeepMind共同創業者でInflection CEOのムスタファ・スレイマン氏をトップに迎えた。同時にInflectionの社員を大規模に採用し、自社主導のAI体制を構築。CEOナデラ氏はスレイマン氏を「大胆なミッションに挑む先見の明ある人材」と評価し、他社依存を超える独自戦略を明確に打ち出した。
MAI-Voice-1 の狙い
MAI-Voice-1は音声インターフェース専用モデルで、従来のChatGPT音声機能の欠点を補う役割を持つ。ChatGPTの音声チャットは接続不安定や応答品質の低さで批判が多く、ユーザー体験に不満が集中していた。マイクロソフトはこれを改善することで、Copilotやその他AIサービスに安定した音声機能を提供することを目指す。
MAI-1-preview が示す未来
MAI-1-previewは「エンドツーエンドで訓練された基盤モデル」とだけ説明され、具体的な機能は不明だが、Copilotの将来像を象徴するとされる。現段階で詳細は伏せられているものの、マイクロソフトは今後の数か月で追加情報を発信予定としており、独自AIの方向性を垣間見せる存在となっている。
CopilotにおけるChatGPTの行方
現時点では新モデルはCopilotに統合されていないが、今後はChatGPTを補完あるいは置き換える可能性が高い。人材獲得や部門設立を考えれば、単なる交渉材料ではなく戦略的転換であることは明白だ。マイクロソフトは、OpenAI依存を縮小しつつ、独自AIをCopilotの中核に据える未来を視野に入れている。
OpenAIとの関係の再定義
今後、マイクロソフトとOpenAIの関係は「協力と競合の混在」に変化すると予想される。完全な代替か、部分的な共存かは不透明だが、新モデルの登場はマイクロソフトがOpenAI後の未来を真剣に描き始めた証左である。いずれにしても、両社の関係は従来の一方的な依存から進化し、新たな均衡点を探る段階に入ったといえる。
出典: Computer World


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