要旨
Microsoft が Windows 11 の大幅なパフォーマンス改善計画を発表しました。アプリの起動速度や File Explorer の高速化、メモリ使用量の削減といった「体感できる速さ」を目指す取り組みが中心です。また、近年ユーザーから不満の声が上がっていた Copilot の過剰な組み込みを見直し、本当に役立つ場面だけに絞り込む方針も明らかになりました。「重い・遅い」というイメージを払拭できるか、Microsoft の本気度が問われるアップデートの内容をまとめます。
Windows 11 をスリムにする取り組みとは
Microsoft の Windows + Devices 部門トップである Pavan Davuluri 氏が、今後の Windows 11 の方向性を示す大型の方針メモを公開しました。長年「重い・無駄が多い」と言われ続けてきた Windows に対し、「もっとサクサク動く OS にする」という明確な目標が掲げられています。
具体的な改善対象として挙げられているのは、スタートメニューや File Explorer の起動速度、アプリ操作のレスポンス向上、そして Windows 全体で消費するメモリ量の削減です。現在 Windows 11 の動作に最低限必要なメモリは 4GB とされていますが、実際には OS 自体がかなりの量を使い続けているため、アプリが使える分が少なくなりがちでした。この状況を改善し、手持ちのパソコンをより有効に使えるようにすることが狙いです。
Copilot の出すぎを抑える方針
ここ数年で Windows や各アプリに次々と組み込まれてきた AI アシスタント「 Copilot 」ですが、ユーザーからは「使いたくない場所にまで入ってくる」という声が多く寄せられていました。メモ帳アプリ「 Notepad 」、スクリーンショット取得ツール「 Snipping Tool 」、写真管理アプリ「 Photos 」、情報まとめ表示の「 Widgets 」といったアプリへの Copilot 組み込みを見直し、不要な入口を減らしていく方針が示されています。
Davuluri 氏は「 Copilot が Windows にどのように統合されるかについて、より慎重に考えていく」と述べており、便利さが実感できる場面だけに絞り込むことで、OS 全体の軽量化にもつなげたい考えです。なお、 Photos に搭載されている画像の高解像度化や背景削除といった AI 機能については、今回の見直し対象には含まれていないとみられます。
日常操作の快適さに直結する改善点
パフォーマンス向上の取り組みは、目に見えにくい内部処理だけにとどまりません。日常的なパソコン操作に直結する部分でも複数の改善が予定されています。
まず、ファイルの移動・コピー速度の向上と Windows Search の高速化が挙げられています。また、 Bluetooth 機器の接続時間の短縮、プリンターの認識速度の改善、さらに顔認証や指紋認証によるサインイン( Windows Hello )の安定性向上も計画されています。接続に 30 秒以上かかることもあったという Bluetooth 周りの遅さは、多くのユーザーが不満に思っていた点でもあり、実用面での改善効果が期待されます。
スリープからの復帰やパソコンの再起動にかかる時間、外部モニターやドックへの接続時間の短縮も目標に挙げられており、「つないだらすぐ使える」という体験に近づける努力がうかがえます。
技術的な刷新と開発者向けの強化
OS の内部では「 WinUI3 」と呼ばれる新しい画面描画の仕組みへの移行が進められます。これにより、スタートメニューをはじめとする主要な画面がよりスムーズに動作するようになるほか、見た目の統一感も高まる見込みです。この仕組みはオープンソース化される予定で、外部の開発者も自由に活用できるようになります。
また、開発者向けの Linux 環境として使われている「 Windows Subsystem for Linux ( WSL )」についても、ファイルのやり取り速度やネットワーク互換性の改善、初期設定の簡略化が予定されています。クラッシュの削減やドライバー品質の向上といったシステム安定性の強化も、今回の方針に明記されています。
おわりに
今回の Microsoft の発表は、「重くなった Windows を本気で軽くする」という意思表示として受け止められます。Copilot の整理やメモリ使用量の削減、接続速度の改善など、どれも普段使いの快適さに直結する内容です。特に古めのパソコンを使い続けているユーザーにとっては、アップデートひとつで体感速度が改善される可能性があり、期待できる内容といえます。AI 機能を「全部入り」にするのではなく、本当に便利な場面に絞っていく方向性は、使う側にとっても歓迎できる変化ではないでしょうか。今後の具体的なアップデートの内容に注目しておきたいところです。
※ ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
出典: PCWorld


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