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Google Photos 15億ユーザーに新たな AI 学習疑惑

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要旨

プライバシー重視のクラウドストレージサービス Proton が、Google の AI 画像生成モデル Nano Banana の高性能ぶりについて、Google Photos に保存された 15億ユーザーの写真を学習に利用しているのではないかという疑惑を投稿しました。この主張に対して Google は否定していますが、同社のプライバシーポリシーには曖昧な部分も残されています。本記事では、この疑惑の背景と Google の公式見解、そしてユーザーが知っておくべきプライバシー保護の実態について解説します。

Proton による疑惑の指摘

2025年 12月 23日、プライバシー重視のクラウドストレージサービスを提供する Proton が、X (旧 Twitter) 上で Google に対する疑惑を投稿しました。その内容は、Google の AI 画像生成モデル Nano Banana が非常に優れた性能を持つのは、Android ユーザーの Google Photos アルバムをスキャンして学習しているからではないかというものです。

Proton はこの投稿で「彼らは認めようとしないし、証明することもできない」と述べており、Google がユーザーの写真データを AI 学習に使用している可能性を示唆しています。Nano Banana は 2025年 11月に発表された Google の最新 AI 画像生成・編集モデルで、Gemini 3 Pro をベースに開発されており、高精度な画像生成とテキストレンダリング機能で注目を集めています。

Google の公式見解と現実の隔たり

Google は Proton の指摘に対して、明確に否定する声明を発表しています。同社によると「Photos 以外の生成 AI モデル (他の Gemini モデルや製品を含む) を、お客様の個人データを使用してトレーニングすることはありません」としています。また、Google Photos のプライバシーハブでも「あなたの個人データは広告に使用されることはなく、人間によるレビューも行われません」と明記されています。

しかし、現実にはいくつかの注意点があります。Google Photos はエンドツーエンドで暗号化されたプラットフォームではありません。つまり、Google 自身は技術的にユーザーの写真にアクセスできる状態にあります。また、児童性的虐待素材 (CSAM) のスキャンのために、訓練を受けた専門チームと自動化技術を使って写真を分析していることも事実です。

プライバシーポリシーの曖昧さ

Google は 2023年 7月にプライバシーポリシーを更新し、AI モデルのトレーニングにユーザーデータを使用できる範囲を拡大しました。この更新により、Google は公開されている情報を収集して Bard や Cloud AI などの AI モデルをトレーニングすることが可能になっています。

問題は、Google Photos に保存された写真が「個人データ」として保護されるのか、それとも他のポリシーが適用されるのかという点です。Google の説明では、Photos 内の生成 AI モデル以外には個人データを使用しないとしていますが、Gemini の AI 編集ツールなどを通じて処理された写真が、より広範な Gemini プライバシーポリシーの対象になる可能性も指摘されています。

ユーザーができる対策

プライバシーを重視するユーザーにとって、いくつかの対策が考えられます。まず、Google Photos の設定で顔認識機能や AI ベースのパーソナライゼーション機能をオフにすることができます。具体的には、Google アカウントの Photos 設定から「Privacy」を選び、「Face Groups」と「Activity-based personalization」をオフにする方法があります。

より確実な方法としては、エンドツーエンド暗号化を提供するクラウドストレージサービスへの移行も選択肢の一つです。Proton Drive などのサービスでは、ユーザー以外は誰も写真を閲覧できない仕組みになっています。また、Google Photos からのデータ移行も比較的簡単に行えるツールが提供されています。

おわりに

この問題は、AI 技術の発展とプライバシー保護のバランスという、現代社会が直面する重要な課題を浮き彫りにしています。Google は明確に否定していますが、プライバシーポリシーの曖昧さや技術的なアクセス可能性は残されています。ユーザーにとって大切なのは、自分の写真やデータがどのように扱われる可能性があるのかを理解し、必要に応じて適切な保護措置を講じることです。今後、AI 技術がさらに進化する中で、より透明性の高いプライバシーポリシーと、ユーザーが自分のデータを完全にコントロールできる仕組みが求められていくでしょう。この議論を通じて、一般の人々が自分のデジタルプライバシーについてより意識的になり、適切なサービスを選択できるようになることが期待されます。

※ ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

出典: Forbes

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