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Windows Recall と画面認識 AI の可能性

thumbnail_windows11_1920 Microsoft

要旨

Microsoft が提供する Windows Recall は、パソコンの画面を数秒ごとに自動的に記録する機能です。一方で、画面認識 AI である Copilot Vision は、ユーザーが必要な時だけ起動して画面を見てもらう機能となります。両者は似ているようで大きく異なるアプローチを持っており、それぞれにメリットとデメリットがあります。この記事では、これらの機能がどのように私たちの日常のパソコン利用を変えていくのかを解説します。

Windows Recall とは何か

Windows Recall は、Windows 11 に搭載された AI 機能で、パソコンの画面を数秒ごとに撮影し、その記録を検索できるようにする仕組みです。過去にどのウェブサイトを見ていたか、どのアプリケーションを使っていたかを思い出せない時に、自然な言葉で検索することができます。

この機能を使うには、Copilot+ PC という特別な仕様のパソコンが必要で、2025 年 4 月のアップデートから順次利用可能になっています。初期設定では 1TB 以上のストレージを持つパソコンの場合、150GB の容量がこの機能専用に割り当てられます。

ただし、発表当初からセキュリティとプライバシーの懸念が指摘されています。初期バージョンでは撮影した画像が暗号化されていないデータベースに保存されており、容易にデータが盗まれる可能性がありました。その後のアップデートで暗号化が追加されましたが、銀行情報やパスワードなどの機密情報も記録される可能性があり、注意が必要です。

Copilot Vision の優れた点

Copilot Vision は、ユーザーが明示的に起動した時だけ画面を見る仕組みになっています。これは Windows Recall とは対照的なアプローチで、常時監視ではなく、必要な時にだけ AI の助けを借りる形です。

この機能の便利な使い方として、設定メニューの奥深くにある項目を探す時に Copilot に聞くことができます。また、PDF ファイルを読んでいる時やプログラミング作業中に、わざわざテキストをコピー&ペーストすることなく、その場で Copilot に質問できます。

2025 年 8 月からアメリカで利用可能になり、複数のアプリケーションを同時に画面共有できる機能や、Highlights という機能では画面上のどこをクリックすればよいかを視覚的に教えてくれます。まるで、必要な時だけかけるスマートグラスのような存在と言えます。

プライバシーとセキュリティへの配慮

Windows Recall の大きな課題は、パソコン上での全活動が記録されることによる、物理的なセキュリティリスクです。データは端末内に保存されるとはいえ、誰かがパソコンに物理的にアクセスできれば、すべての履歴を見られてしまう可能性があります。

現在の Windows Recall では、特定のアプリケーションやウェブページを除外リストに登録することで、撮影対象から外すことができます。ただし、これはユーザー自身が設定する必要があります。銀行のウェブサイトやパスワード管理ソフトなど、重要な情報を扱う場面では、必ず除外設定をしておくことが推奨されます。

一方、Copilot Vision では履歴を残さない設定にすることができ、画面認識による便利な機能だけを使い続けることが可能です。これにより、プライバシーを守りながら AI の恩恵を受けることができます。

実際の活用シーン

画面認識 AI は様々な場面で役立ちます。写真を見ながら照明の改善方法を教えてもらったり、旅行の計画を立てる時に持ち物リストが適切かどうかをチェックしてもらったり、ゲームをプレイ中にヒントをもらうことができます。

また、画面上の表を Excel に変換する機能や、ファイルにカーソルを合わせるだけで内容を要約してもらう機能なども追加されています。これらは従来のコピー&ペースト作業を大幅に効率化します。

2025 年 12 月には、テキスト編集機能も追加されました。文章をより正式な表現に書き換えたり、わかりやすくしたり、簡潔にしたりといった編集を、音声で指示するだけで行えるようになっています。

おわりに

Windows Recall と Copilot Vision という 2 つの画面認識技術は、パソコンの使い方に大きな変化をもたらします。常時記録する Recall は「あの時見た情報」を確実に探し出せる便利さがありますが、プライバシーへの配慮が必要です。一方、必要な時だけ起動する Vision は、日常的な作業をスムーズにしてくれる頼れるアシスタントとして活躍します。

これらの技術により、一般の方々は設定項目を探す手間が減り、文書作成がスムーズになり、外国語のウェブサイトを読む時の助けを得られるなど、パソコン操作がより簡単で効率的になります。自分のプライバシー意識と使い方に合わせて、これらの機能を選択し活用することで、より快適なデジタルライフを送ることができるでしょう。

※ ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

出典: XDA Developers

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