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小規模スタートアップ Arcee AI が 400B の AI モデル Trinity を開発

thumbnail_acree_1920 Arcee AI

要旨

AI 開発の世界では、Google や Meta といった大手企業が市場を独占していると考えられてきました。しかし、わずか 30 人の小規模スタートアップ Arcee AI が、この常識を覆す発表を行いました。同社は 2026 年 1 月、4000 億パラメータという巨大な AI モデル Trinity を開発し、完全なオープンソースとして公開しています。開発期間はわずか 6 ヶ月、開発費用は 2000 万ドルという驚異的な効率性を実現しました。

従来の常識を覆す開発スピード

AI モデルの開発には通常、莫大な資金と長い開発期間が必要とされています。しかし Arcee AI は、この常識を大きく覆す成果を達成しました。

同社が開発した Trinity は 4000 億パラメータを持つ大規模言語モデルで、米国企業が開発したオープンソースのモデルとしては最大級となります。開発には Nvidia の最新 GPU である Blackwell B300 を 2048 台使用し、わずか 6 ヶ月という短期間で完成させました。

開発費用は約 2000 万ドルで、同社がこれまでに調達した資金 5000 万ドルの半分以下に抑えられています。大手企業が数億ドル規模の予算を投じる中、この効率性は注目に値します。

Meta の Llama に匹敵する性能

Arcee AI は、Trinity の性能が Meta の Llama 4 Maverick 4000 億パラメータモデルや、中国の清華大学が開発した GLM-4.5 に匹敵すると主張しています。

性能評価では、プログラミング能力や数学的思考、常識的推論、知識処理などの分野で、Trinity は Llama と同等かそれ以上の結果を示しました。特にコーディングや複数ステップの処理を必要とする AI エージェント機能において、優れた性能を発揮します。

ただし現時点では、Trinity はテキストのみに対応しており、画像や音声には対応していません。Llama 4 Maverick がすでにテキストと画像の両方に対応しているのに対し、この点では遅れをとっています。同社は今後、画像認識機能を開発中で、音声認識機能も計画に含まれています。

完全オープンソースという選択

Arcee AI が Trinity で採用したのは、Apache ライセンスという完全にオープンな形式です。これは Meta の Llama が採用しているライセンスとは異なります。

Llama は Meta が独自に定めたライセンス条件を使用しており、商用利用や使用方法に一定の制約があります。このため、一部のオープンソース団体からは「真のオープンソースではない」という指摘も出ています。

一方、Trinity は Apache ライセンスを採用することで、企業や研究者が自由に利用、改変、商用化できる環境を提供します。Meta CEO の Mark Zuckerberg 氏が将来的に最先端モデルをすべてオープンソース化するとは限らないと発言したことも、Arcee AI のこの決断を後押ししました。

3 つの異なるバージョンを提供

Arcee AI は Trinity を 3 つの異なるバージョンで提供します。これにより、利用者のニーズに応じた選択が可能になります。

Trinity Large Preview は、基本的な学習を施したモデルで、人間の指示に従って動作するように調整されています。一般的なチャット用途に適しており、すぐに使い始めることができます。

Trinity Large Base は、追加の学習を施していない基本モデルです。企業や研究機関が独自にカスタマイズする際の出発点として利用できます。

TrueBase は、指示データや追加学習を一切含まない完全な基礎モデルです。企業や研究者が完全にゼロから独自のモデルを構築したい場合に最適です。既存の学習データを取り除く必要がないため、カスタマイズの手間が大幅に削減されます。

おわりに

Arcee AI の成功は、AI 開発が必ずしも大企業の独占市場ではないことを示しています。小規模なチームでも適切な戦略と技術力があれば、業界最高水準のモデルを開発できる時代が到来しました。

完全オープンソースの Trinity が広く普及すれば、企業や研究機関は大手企業のライセンス条件に縛られることなく、AI 技術を自由に活用できるようになります。これにより、医療、教育、ビジネスなど様々な分野で、より多様で革新的な AI アプリケーションが生まれる可能性が高まります。

※ ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

出典: TechCrunch

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