要旨
AI 検索サービスで注目を集める Perplexity が、同社の AI ブラウザ「 Comet 」を iPhone 向けに 2026年 3月 18日に公開しました。もともと PC 版・ Android 版で先行リリースされていたアプリが、ついに iOS に登場した形です。ページを表示するだけの従来のブラウザとは異なり、 Comet は閲覧中のページをその場で要約・解析したり、音声で質問したり、複数のサイトをまとめて調べる「エージェント」機能を備えています。無料でダウンロードでき、より高度な機能は有料プランでも利用可能です。
Comet とはどのようなブラウザか
Perplexity はもともと「答えを返す検索エンジン」として知られてきた企業です。その Perplexity が手がける Comet は、ブラウザそのものに AI アシスタントを組み込んだ、新しいカテゴリーのアプリです。
通常のブラウザはウェブページをきれいに表示することが仕事ですが、 Comet は「ページを読み込んだ後に何ができるか」を重視しています。閲覧中のページについて質問すると AI がすぐに回答し、長い記事はワンタップで要約、特定の情報だけを抜き出すといった操作がすべて同じ画面の中で完結します。
なお、 iOS では Apple のルールにより、すべてのブラウザは Safari と同じ WebKit というエンジンを使うことが義務付けられています。そのため Comet 独自のページ表示速度の優位性はなく、差別化はあくまで AI 機能の部分に集約されています。
主な機能を整理する
ハイブリッド検索
スポーツの試合結果や近所のお店を調べるような簡単な検索には、通常の検索結果がすぐ表示されます。一方、複雑な調べ物には Comet Assistant が Perplexity の回答エンジンを使って詳しい答えを提示してくれます。
Deep Research(ディープリサーチ)
複数のウェブサイトを横断的に調べ、要点をまとめて出典つきで提示する機能です。論文や仕様書、比較記事をいくつも開いて読み比べる手間を大幅に減らせます。
音声モード
テキストを入力しなくても、話しかけるだけで AI が回答します。現在開いているタブの内容についても音声で質問でき、画面をスクロールしながら「この部分ってどういう意味?」と聞くような使い方も可能です。
エージェント機能
カレンダーに登録されている予定を開き、参加者の情報を LinkedIn やウェブで調べ、会議用のブリーフ(概要メモ)まで自動で作成するといった、複数の手順を連続してこなす自動化機能も搭載されています。アプリを行ったり来たりする必要なく、ブラウザ単体でこうしたタスクをこなせるのが特徴です。
クロスデバイス連携
PC 版の Comet で調べていた内容を iPhone で引き継いだり、逆に外出先で調べたことを帰宅後に PC で再開したりと、デバイスをまたいで作業の文脈がそのまま引き継がれます。
価格と対応端末
Comet for iOS は App Store から無料でダウンロードできます。さらに高度な AI モデルを使える「 Pro 」プランが月額 20ドル から、より上位の「 Max 」プランも用意されています。なお、 PC 版が登場した当初は月額 200ドル という高額プランのみでしたが、現在は無料の基本プランが提供されています。
対応端末は iPhone・ Android ・ Windows PC ・ Mac の 4プラットフォームで、 iPad 版は現時点では未提供となっています。
プライバシーへの注意点
Comet を使う際に一点注意しておきたいのが、データの扱いです。 Perplexity は、 Comet での閲覧履歴や検索履歴を広告ターゲティングに活用することを明示しています。現時点ではアプリ内にオプトアウト(データ収集を断る)の仕組みは設けられていません。
無料で提供されている背景には、こうした広告モデルがあります。便利な機能と引き換えにどこまでのデータ提供を許容するか、ご自身の判断で使い始めることをおすすめします。
おわりに
Comet の登場によって、スマートフォンのブラウザは「ページを表示するだけのツール」から「調べ物や作業を手伝ってくれるパートナー」へと変わりつつあります。ページを読みながら要約や質問ができ、複数のサイトをまとめて調査し、カレンダーや SNS との連携タスクまでこなせるようになれば、情報収集にかかる時間や手間は大きく削減されます。
特に、仕事や勉強で毎日多くの記事や資料を読む方にとっては、実用的な恩恵を感じやすいアプリといえます。まずは無料プランで使い心地を確かめてみるとよいでしょう。
※ ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
出典: AppleInsider

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